おかあさんの参考書

子どもを否定的に叱り続けることで起こる7つの弊害(1)

親野智可等

子どもを否定的に叱り続けることで起こる7つの弊害(1)

●愛情が空回りし続ける親たち

「勉強を好きになってほしい」

「自分から進んで勉強してほしい」

親はみんな、わが子に対してこう思っています。

すべては、子どもの幸せを願う気持ちからです。

 

でも、実際には、なかなか思うようにはならず、その気持ちが空回りしている親たちがたくさんいます。

いつまでもエンジンのかからない子どもを見て、どうしても叱ることが増えます。

 

「また勉強してない。自分から進んでやらなきゃダメでしょ!」

「○時から勉強するって約束したよね。なんでちゃんと守らないの?」

「何度言ったら自分からやれるようになるの? 『がんばる』って言いながら、口ばっかりね」

●子どもはよけいにやる気をなくす

毎日、子どもにこういう言葉を浴びせかけている親がたくさんいます。

でも、これで子どもがやる気になるということは、絶対にありません。

やる気が出るどころか、弊害がたくさんあります。

 

弊害の1つめは、ほんのちょっとはあった「やっぱ、やらなきゃ……」という気持ちすら、摘み取ってしまうということです。

というのも、こういう言い方をされると、「自分がとがめられた。否定された」と感じるからです。

「自分がとがめられた」と感じた瞬間に、人は心を閉じて、素直に受け入れることができなくなります。

受け入れるどころか、「なにくそ、絶対やらない」という気持ちにすらなります。

●叱られ続けると、愛情不足感が出てくる

弊害の2つめは、こういう言葉を浴び続けると、親に対する不信感が出てくるということです。

「お母さんは、ぼくのことをよく思っていないようだ。ぼくはダメな子だと思われている。あんまり大切にされていないかも……」

「お父さんは私のこと好きじゃないのかな。愛されていないのかも。嫌われているのかな……」

 

こういう気持ち、つまり親に対する愛情不足感が出てきてしまうのです。

すると、ますます素直になれません。

そして、お互いの不信感が高まることで、親子関係が冷え切ってしまい、ついには親子関係の崩壊という事態に至ります。

●愛情不足感のある子は、愛情確認行動に突っ走る

さらに、深層心理学では、次のように言っています。

親に対する愛情不足感がある子は、不安でたまらないので、親の愛情を確認したいという強い衝動に駆り立てられます。

すると、危険なことや反社会的なことをしてしまいます。

例えば、万引き、火遊び、落書き、物を壊す、深夜徘徊、スマホの出会い系にはまる、弱い子をいじめる……などです。

 

こういうことをすると親が心配します。

心配する姿を見て、「ほら、こんなに心配してくれている。愛されている証拠だ。ああ、よかった」と確認するのです。

もちろん、これを意識して意図的にやるわけではありません。

愛情不足感という強い不安から、無意識的かつ衝動的に、愛情確認行動に突っ走ってしまうのです。

●叱られ続けると自己肯定感が持てなくなる

弊害の3つめは、こういう言葉を浴び続けると、子どもは自分に対する自信を持てなくなるということです。

「何度言われてもできない。私ってダメな子だな。どうせ何をやってもできっこない」

「毎日叱られてばかり。どうせぼくなんてダメな子だよ。何をやってもダメだよ」

 

このように感じてしまうと、自己肯定感が持てなくなり、自己否定感に支配されてしまいます。

すると、勉強はもちろん、遊びでも生活習慣でも、何事においても「自分はできない」と思い込むようになってしまいます。

当然、チャレンジしてがんばる気力も出なくなります。

たとえ少しやってみたとしても、ちょっとした壁があると、「ダメだと思ったけどやってみた。だけどやっぱダメだ。どうせ自分なんかできるはずがない」となって、乗り越えられなくなります。

自己肯定感が高い子は、何事においても「自分はできる」と思えるので、チャレンジしてがんばる気力がわいてきます。

たとえちょっとした壁があっても、「自分はできるはずだ」となって、乗り越えられるのです。

この違いは大きいのです。

 

(次回に続きます)

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


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