おかあさんの参考書
子どもを伸ばした母の口癖

子どもを伸ばした母の口癖

親野智可等

何をやってもダメだった子ども時代

イベント会社を経営している40代男性・横山健太さん(仮名)の話です。

横山さんは子どもの頃、勉強が全然できませんでした。

どの科目が苦手ということではなく、国語・算数・社会・理科の全てが苦手でした。

運動も苦手で、運動会の徒競走はいつもビリでした。

音楽も苦手で、鍵盤ハーモニカで弾けるようになった曲は1曲もありません。

図画工作の粘土工作だけはちょっと得意でしたが、絵は苦手でした。

忘れ物が多くて、ほとんど毎日何かを忘れて先生に叱られていました。

整理整頓・片づけが苦手で、学校の机の中はいつもゴチャゴチャしていました。

給食も苦手で、昼休みに居残りで食べさせられることもよくありました。

低学年の頃は友達もできなくて、休み時間はずっと一人で過ごしていました。

4年生になるときのクラス替えで一緒に帰る友達ができて、休み時間にもその子と遊ぶようになりました。

母親の口癖「健太は大物だ」「健太は立派になる」

こんな子ども時代だったそうですが、横山さんは一度も「自分はダメだ」「自分はだらしがない」「自分は頭が悪い」などと思ったことがないそうです。

なぜかというと、お母さんがいつも「健太は大物だ」「健太は立派になる」と言っていたからです。

それを日頃から聞いていたので、横山さんは「自分は大丈夫だ。自分はやれる」という漠然とした自信を持っていたそうです。また、成績のことやだらしがないことで、叱られたことは一度もないそうです。

そして、横山さんは高校1年生の後半くらいから、だんだん勉強が楽しくなってきました。特に、英語・国語・社会などは授業も面白く感じられて、自分でも進んで勉強するようになりました。

高校3年生の頃には、試験の度に成績が上がり、地元の国立大学に合格することができました。その高校から国立大学に合格する生徒は少なく、当時、友達の間で「横山の奇跡」と言われたそうです。

子どもに自信を持たせることが大事

大学卒業後は地元の商社に入社し、その10年後に独立して起業しました。

起業するときも、周囲は心配したのですが、横山さんには自信があったそうです。そして、今の年商は数億円くらいだそうです。

横山さんは、来し方を振り返って、次のように言っています。

「自分は、母親の『健太は大物だ』『健太は立派になる』という口癖のおかげで、今があるのだと思います。母親の口癖が『健太はバカだ』『健太はダメだ』とかだったら、どうなっていたかわかりません」

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


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