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子どもが家にいることが多い夏休み。今こそ親と子のコミュニケーションを見直そう

菅原裕子

子どもが家にいることが多い夏休み。今こそ親と子のコミュニケーションを見直そう

●夏休みをどう使うかがカギになる

夏休みは、子どもが学校から解放されて自由を満喫できるとき。

だからこそ、親は自由にさせすぎることを警戒して、あれこれ縛りをきつくしたり、口うるさくなったりしがちな時期でもあります。

親にしてみれば「魔の夏休み」になりかねませんから、そうならないためにも、親はいろいろ工夫をしなければなりません。

そのひとつとして、子どもとのコミュニケーションを深める工夫をしてみてはいかがでしょうか。

 

子どもが過ごす日常には、たくさんの「ねばならないこと」があふれています。

まずは、決まった時間に登校し、先生の指示に従って1日のカリキュラムをこなさなければなりません。

下校後も、習い事や塾のある子もいれば、受験する子はそれ以上に学習することを求められます。

夏休みは、その中でももっとも大きな縛りである「学校」から解放されるときなのです。

このときをどう使うかが、子どもの成長に大きな影響を与えます。

●日常に「非日常」をプラスする

子どもを含め、私たち人間がリフレッシュするのは、非日常の環境にあるときです。だから、たまの休みがうれしいのです。

とはいえ、毎日を非日常で埋めつくすことはできません。ですから、夏休みの計画を立てて、日々のすべきことの中にところどころ「お楽しみの計画」を入れ込むのです。

 

受験だからといって、夏休みは学習一色、などということは避けたいもの。

子どもキャンプなどの行事や家族での旅行など、いくつかの楽しいときを計画してください。

そして、そのときのコミュニケーションの工夫を考えてみましょう。

受験に向けて親子の絆を深め、お子さんの自己肯定感を育てるのです。

まずは、計画を一緒に立てるところから、コミュニケーションが始まります。

●話すより聴く

話を聴こうと思えば、子どもが話せるように発問する必要があります。

自己主張のある子どもは自分から話しますが、そもそも自分から話さない子どもの場合は、親の発問がカギとなるのです。

「この夏休み、一番したいことは何?」「どんな夏休みになればうれしい?」という具合に、子どもの気持ちや思いを聞くように質問しましょう。

そのとき、親が期待する答えとまったく違うものが返ってきても、受け止める覚悟を。

「のんびりしたい!」と言われると、「ほかにもできることあるじゃないの!」と思いますが、「のんびりできるといいね。どうやってのんびりするの?」などと受け止めながら聴いていきます。

●会話のできる時間と場所を設ける

例えば、食事時はテレビをつけずに、食べながら話せる場にするなど、会話のできる時間と場所を設けることが重要です。

特に、お母さんが働いている家庭は、いつでも話せるわけではありません。

一緒にいるときに、テレビやスマホに邪魔されない場を設けましょう。

塾などへの送り迎えがある場合は、それも利用することです。

また、リビングルームなど、家族が集まる場所の居心地をよくしましょう。

小学生ぐらいまでは親のいるところで勉強した方が、安心感もあってより効率よく学習できるものです。

勉強も団らんも、みんなが集まる場を利用してはいかがでしょうか。

そのためには、お母さんのいる場所を暖かいものにすることです。

●一緒に働くときを過ごす

親がいない間にやるお手伝いよりも、親と一緒に働くことを、子どもは喜びます。

夏のあいだは、一緒に料理するなどの時間を設けてはいかがでしょうか。

小学生の子どもにとって、親と一緒に過ごす時間は何より楽しいもの。その楽しさが、子どもの心には何よりの栄養です。

親と一緒に過ごし、親に受け止められるとき、子どもの自己肯定感は育ちます。

遠慮せずに積極的に誘ってください。結構いろいろなことを話してくれますよ。

●さまざまな準備を子どもに任せる

子どもが参加するキャンプや家族旅行も、子どもはついてくるだけで、準備は親が全部やるのではつまらないもの。子どもにもできる準備があるはずです。

普段ならお母さんがしてしまう準備も、できる部分は子どもに任せてみましょう。

任せるとなると、事前の話し合いが必要になりますが、これも大きなチャンス。

親はとかく、話し合ったり任せたりするより、自分でやってしまった方が確実で早いと思いがちです。

しかし、ここは一緒に調べて、話し合い、そしてある程度任せてみることです。

きっと子どもの成長を感じる結果となるでしょう。

 

小学校高学年の子どもたちの夏は、体だけでなく心が育つときです。

そして、この時期の子どもの心の安全基地は、まだまだ親にあります。

親も夏休みをとって、普段以上に子どもとの触れ合いを楽しんでください。

お母さんが笑うとき、子どもの自己肯定感が育ち、やる気が上がります。

著者プロフィール

菅原裕子
菅原裕子
すがはらゆうこ

NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。1977年より、人材開発コンサルタントとして企業の人材育成の仕事に携わり、従来の「教え込む」研修とは違ったインタラクティブな研修を実施。参加者のやる気を引き出し、それを行動に結びつけることで、社員と企業双方の成長に貢献。後に、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム「ハートフルコミュニケーション」を開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得ている。著書に『子どもの心のコーチング』『子どもの「やる気」のコーチング』(以上、PHP文庫)、『子育てが変わる親の心得37』(幻冬舎)等。

公式ホームページ『NPO法人 ハートフルコミュニケーション』


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