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受験を目前にしたおかあさん、受験生の皆さんに、最後のメッセージ

菅原裕子

受験を目前にしたおかあさん、受験生の皆さんに、最後のメッセージ

受験を目前にして、親子ともに期待と不安の入り混じった時期をお過ごしではないでしょうか。

1年半にわたって、中学受験に関する考え方や親のスタンスについて、皆さんにお伝えしてきましたが、今回で連載最後のメッセージになります。

そこで、「そもそも中学受験って何?」という内容で、おかあさんと受験生の皆さんにお伝えしたいことがあります。

●おかあさんへ

言うまでもありませんが、お子さんのサポートを本当によく頑張ってこられました。

“中学受験は親子の受験”と言いますが、親のサポートなくしては、受験が成り立ちません。

とはいえ、親にできるのはあくまでもサポート。子どもの代わりにやる気を出すこともできなければ、試験を受けることもできません。

自分自身のことならまだしも、子どもがその気になって学習できるように見守るのは、それは大変だったと思います。

思わず口を出したくなるのをぐっと抑えたり、これでいいのかと葛藤したりしたこともあったと思います。よく努力されました。

ここで、「そもそも中学受験って何?」という基本に立ち返って考えてみましょう。

それによって、親子ともに受験の時と、その後に続く時を有意義に過ごせたらいいですね。

 

受験することを選んだのはお子さんかもしれませんし、おかあさんやおとうさんが勧めたのかもしれません。

いずれにせよ、本人の思いと同時に(いえそれ以上かもしれません)、“親の選択”があったはずです。

親が選んだのは、子どもにとっての「環境」でしょう。

「何がわが子にとってよりいいのか」を考えての選択だったと思います。

皆さんは、中学・高校と続く子どもの多感な6年間を、どのような環境で過ごせばよいかを選ぶ権利をあえて使ったのです。

親にできるベストな選択は、そのくらいまででしょうか。

そこで子ども自身がどこまで頑張るか、そしてどのくらい運が味方してくれるかは、全く未知の領域です。

受験の結果がどう出るかはわかりません。そして、その先、大学はどうするのか、どんな道を子どもが歩むのかは、全く予想のつかないことです。

 

それでも親にできることがあります。

それは、常に子どもによりよい環境を選ばせていくことです。

高校生、大学生と成長するうちに、子ども自身の中で選ぶ目が成長していきます。選ぶ力がついてきます。

「周りがそうするから」「そんなもんだから」と安易に流されることなく、子どもが自分で考え、選んでいく人生を援助していきましょう。

中学受験は、その第一歩だったのです。

 

親子ともに、「あの学校へ」と志望している学校があると思いますが、結局どの学校に行くのかは大切なことではありません。

一番大切なのは、「学校でどんな体験をするか」です。

希望通りの学校に入学しても、平凡な学生生活に終わってしまう例はいくらでもあります。

一方、希望通りの学校でなかったとしても、大変有意義な学校生活を送ることもあります。

「いい学校」ではなく、「わが子にとってのいい学校」という意識を育てることが重要です。

そのカギは、常に今できるベストを尽くすこと。

さあ、まずはお子さんが受験に向けてベストを尽くせるよう、環境を整えてください。

それが私たち親の仕事です。

●受験生の皆さんへ

ここまでよく頑張ってきましたね。

もっと遊びたいと思うこともあったでしょう。

でも、その気持ちを学習に向ける体験は、きっとこれからのあなたの毎日に大いに役立ちます。

受験に向けて大切なことは、試験であなたがベストを尽くすことです。そうすれば、合格は自然とついてきます。

 

そこで、ベストを尽くすために、できることをいくつかお伝えしましょう。

まずは、ここまで努力してきた自分を認めることです。

これまでは、ずっと自分を「頑張れ、頑張れ」と励ましてきたと思います。

今は、「頑張れ」ではなく、「ここまでよくやってきた」と自分を認め、そして「総仕上げで思いっきり力を発揮しよう」と背中を押してあげてください。

また、よく眠って脳の疲れを解消しておくことが大切です。

必要な睡眠時間をきちんと取り、元気にさわやかに過ごすことを心がけましょう。

「追い込み」と称して無理して遅くまで勉強するよりも、力が発揮できるはずです。

 

ここまでのあなたの努力は、いつかきっと花咲きます。

努力は嘘をつきません。プロセスはいろいろですが、きっとあなたを素晴らしい未来へと導いてくれるでしょう。

健闘を祈ります。

著者プロフィール

菅原裕子
菅原裕子
すがはらゆうこ

NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。1977年より、人材開発コンサルタントとして企業の人材育成の仕事に携わり、従来の「教え込む」研修とは違ったインタラクティブな研修を実施。参加者のやる気を引き出し、それを行動に結びつけることで、社員と企業双方の成長に貢献。後に、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム「ハートフルコミュニケーション」を開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得ている。著書に『子どもの心のコーチング』『子どもの「やる気」のコーチング』(以上、PHP文庫)、『子育てが変わる親の心得37』(幻冬舎)等。

公式ホームページ『NPO法人 ハートフルコミュニケーション』


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