次の10年へ、
教育改革のテーマは何か

次の10年へ、<br>教育改革のテーマは何か

柴山昌彦文部科学相は先ごろ、中央教育審議会(中教審)に対して、「新しい時代の初等中等教育の在り方について」と題する諮問を行いました。

中教審は文部科学省の中に設置されている審議会で、教育や文化、スポーツなどに関する政策を審議して提言する重要な機関です。最も身近なところで言えば、学習指導要領の方向性を定める議論も中教審が担います。

 

令和2年度から本格実施となる小学校での英語必修化やプログラミング教育などの議論は、急に出てきた話ではありません。

平成26年当時の下村博文文科相の中教審への諮問をスタート地点として、実質的には初等中等教育分科会で議論が行われました。

専門家を交えたさまざまな調査や議論をまとめた平成28年12月の「答申」を受けて、令和2年度から全面実施される学習指導要領が改訂されたのです。

 

学習指導要領の改訂は、これまで「10年1サイクル」で行われてきました。

今回、柴山文科相が中教審に検討を求めた諮問内容も、数年間の議論を経て答申が出され、次の学校制度や学習指導要領に反映されていくでしょう。

学習指導要領が改訂されると新しい教科や科目ができ、学校での教え方が変わります。それに伴い教科書や教材も変わります。中学・高校入試、また大学入試にも当然、影響が出てきます。

つまり、中教審への諮問を知ることは、これから10年後の教育のあり方を占う出発点となるのです。

●中学・高校入試や学校選びにも影響

今後、中教審で議論される柱は大きく4つあります。主な内容は次の通りです。

1)新時代に対応した教育の在り方を検討する

  • 読解力などの基盤的な学力を確実に定着させる
  • 小学校で「教科担任制の導入」 を検討する
  • 習熟度別指導などの充実
  • 特定分野に特異な才能を持つ子どもなどの能力を伸ばす

2)新時代に対応した高等学校教育の在り方を検討する

  • 高校「普通科」の改革
  • 文系・理系の類型に関わらない学び方
  • Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、 Art(芸術)、Mathematics(数学)を重視した教育(STEAM教育)の推進

3)外国人児童等への教育の在り方を検討する

外国をルーツとした子ども達が増える中、その子ども達自身の能力を伸ばすことだけでなく、すべての子ども達に多文化理解、多文化共生のマインドを育むことが求められている

4)その他

  • ICT環境の充実や先端技術の活用
  • 教員の質的向上

 

小学校低学年のお子さんを持つご家庭で、将来お子さんが高校や大学に進学する際のポイントになるのは、2)の高校教育の在り方の部分でしょう。

高校生の多くを占めている「普通科」が変わるとなると、その内容だけでなく高校入試にも大きな影響が出てくると思われます。

10年後と言わず、研究として新たな学科を先行的に設ける高校も出てくるものと思われます。

また、STEAM教育については、すでに導入を進めている私立中高一貫校もありますが、「ものづくり」の教育にとどまらず、現実の社会にある課題を解決できる「創造的な思考力」を育成するカリキュラムに引き上げられるかが問われてくるでしょう。

 

4)のICT環境の充実は、私立中高一貫校を選ぶ際の指標にしているご家庭も多いことでしょう。

それは今後も同様で、むしろより厳しく見定めていく必要があるかもしれません。

というのも、経済協力開発機構(OECD)が先ごろ発表した報告書「スキル・アウトルック2019」によれば、世界のデジタル化が進む中、日本でITのトレーニングが必要な教員の割合は「80%」という結果が出ており、OECD平均を大きく上回っています。

ICT化が進んでいる学校といえども、授業は世界レベルには到達していない可能性もあるのです。

端末を揃えているだけでなく、通信環境は十分か、また授業やその他の活動でどのぐらい活用されているか、何よりICT活用により課題解決力が高まったかといった、授業の質を問う視点が学校を「選ぶ側」にも求められています。


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