これからの「歴史」は暗記から思考力へ

これからの「歴史」は暗記から思考力へ

●地理歴史科目が大きく再編される

2020年1月、1990年から30年続いてきたセンター試験の最後の試験が行われました。来年からは「大学入学共通テスト」に引き継がれます。

共通テストへの記述式問題の導入が見送りとなったことを受け、大学入試センターは2020年に入り、国語と数学の出題形式の変更を公表しました。これで翌年の大学受験生はひと息ついたというところでしょう。

 

ところで、今回話題となった国語や数学以外の教科はどうなのでしょうか。

現状では、出題教科、科目とも変化はありませんが、2022年度から高校の新しい学習指導要領が学年進行でスタートすると、話は変わってきます。

今回の改訂で地理歴史科目が大きく再編されたからです。

現行は「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」の6科目ですが、2022年度からは「歴史総合」「世界史探究」「日本史探究」「地理総合」「地理探究」という新しい科目になります。

初めて聞くという方も多いと思いますが、どのようなものなのでしょうか。

●新科目「歴史総合」とは?

「歴史総合」と「地理総合」は、高校生全員が学ぶ必履修科目となります。とくに「歴史総合」は、日本史と世界史を融合し、近現代を中心に学ぶ新しい科目として注目を集めています。

その狙いは、世界と日本の歴史を総合的な視野からとらえ、資料を活用しながら歴史の学び方を習得する、現代のさまざまな課題が成り立ってきた歴史を学ぶことにあります。

 

「歴史総合」は2単位で、内容はA「歴史の扉」、B「近代化と私たち」、C「国際秩序の変化や大衆化と私たち」、D「グローバル化と私たち」の4つの大項目で学びます。

授業では、課題を設定して多様な視点から解決する活動や、資料から歴史に関するさまざまな情報を調べたり、まとめたりするスキルが身に付くような指導が求められています。

 

「世界史探究」「日本史探究」は、「歴史総合」を履修したあとに選択科目として履修できます。具体的には高校2年か3年で学ぶことになるでしょう。

また「地理探究」は、「地理総合」を履修した後に選択できます。

科目名に付いた「探究」という言葉から連想されるように、単に知識を詰め込み、暗記をする授業から、知識を活用して思考力を働かせることを重視する授業を目指します。

 

この新しいカリキュラムで「歴史総合」を学ぶのは、2019年度の中学1年生以降が該当します。今、小学生のお子さんを持つ家庭では、高校生に入学したら多くが1年次に「歴史総合」を学ぶことになるでしょう。

●日本史と世界史「どちらも」

この科目再編の流れを受けて、2019年11月、内閣府の特別機関で科学者の代表などで構成される日本学術会議は、大学入試の歴史の科目に「歴史総合」を取り入れるよう提言しました。

具体的には、歴史系の入試科目を「歴史総合・日本史探究」「歴史総合・世界史探究」とするべきとし、出題にあたっては、教科書の知識を問う問題だけでなく、未知の資料や表、グラフを読み解く力を測る問題を出題するべきとしています。

 

日本学術会議が踏み込んだ提言をしているのには、理由があります。

かつて、「世界史」が大学入試で必修となっておらず、高校でいわゆる「世界史未履修問題」が発覚しました。「歴史は暗記科目」という誤った認識が原因だとし、入試そのものから「考える」歴史に変えていこうとする意志が読み取れます。

また、提言以前から、高校の授業で日本史の近現代分野が手薄になりがちなことや、理系の生徒の中には日本史を履修しない生徒もいることを危惧する声があったことも影響していると思われます。

 

今なお、「暗記」のイメージが根強い歴史系の教科。

「高校の日本史は小中学校の知識の“貯金”があるから親しみやすい」とか、「世界史は日本史より暗記事項が多い」などと、高校の科目選択の理由が言われてきました。

しかし、「世界史」か「日本史」か二者択一で考える時代は間もなく終わりを告げそうです。

これからは、大学入試を見据えて、どちらも総合的に学ぶという意識改革が保護者世代にも求められます。


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