有名中学校 校長先生ロングインタビュー

第5回 雙葉中学校・高等学校 和田紀代子 校長

-2018.04.11-

徳においては純真に 義務においては堅実に

雙葉中学校・高等学校 和田紀代子 校長

Profile

雙葉中学校・高等学校 校長
和田紀代子 先生
わだ・きよこ●雙葉中学高等学校卒業後、お茶の水女子大学理学部数学科入学。同学卒業後、雙葉中学高等学校数学教員として就任。2012年より同校校長。

“カトリックの精神に基づく全人教育”を教育方針に掲げる雙葉学園。中高6年を通して行われる週1回の「宗教」の授業やネイティブ教員による外国語教育など、特色あるカリキュラムで知られる。良き母、品ある女性を育てるだけでなく、国際社会で活躍するエネルギッシュな人材を輩出する教育について、校長先生からお話を伺った。

※この記事はTOMAS会員誌「冊子版Schola」第3号(2017年冬号)の特集を再編集したものです。

雙葉学園に息づくカトリックの教え

雙葉学園はカトリックの精神に基づく学校です。

17世紀にフランスのニコラ・バレ神父によって創設された修道会「幼きイエス会」を設立母体としています。明治42年の雙葉高等女学校設立以来、「人間は一人一人かけがえのないものとして神様によって創造され、それぞれ使命が与えられていることを子どもたちに気づかせる。そして、子どもが持っている無限の可能性を引きだし、神が望まれる人に成長することを助ける」という教育理念を受け継いで現在に至っています。

「宗教」の授業でキリスト教の教えを学ぶのですよね。

中学1年でカトリックの精神を大まかに学び、高校3年まで「自分の使命とは何か」ということを考えていきます。「徳においては純真に 義務においては堅実に」という校訓があり、これは神様と人の前に素直で裏表がなく、さわやかな品性を備え、人間としてやるべきことは最後まで責任を持って果たす強さを持つ、という意味です。ただ、信仰を強要するようなことは一切ありません。社会の中で、視野を広げてどう生きていくかを考えてほしいと思っているのです。また、共同募金や施設の訪問などボランティア活動にも力を入れています。クリスマスには国内外の28カ所の施設・団体に募金をしたり衣類などを寄付したりしています。

そうして奉仕の心を学ぶと。

ただ、「やってあげた」という自己満足になってしまってはいけませんから、本質的な部分を常に伝えるようにしています。

良き日本人、品ある女性、良き母を育てるという方針がまさにその奉仕の心に通じますね。

当校の創設時に、宗教を前面に出すと高等学校の認可が下りないということがあり、そうした方針を打ち出すに至りました。良き母を育てることがひいては日本を育てることになると考えています。取り組みのひとつに、掃除の徹底があります。生徒も教員も一緒になって、お手洗いを含めて掃除を行います。自分の使ったものは自分で掃除するという当たり前のことではありますが、中高生のうちにきちんと身につけてほしいと思います。

日々のクラブ活動に打ち込み学年を超えた絆を育む

学校生活の様子はいかがでしょうか。

全員なにかしらのクラブに入るよう指導しているのですが、みな大変熱心に打ち込んでいます。人気があるのは、英語演劇部やダンス同好会、管弦楽同好会など公演を行うクラブですね。今のお子さんたちは、「自分を見せる(魅せる)」ことへの関心が高いようです。いずれも外部の指導者を入れていませんので、上級生が下級生を指導しています。その集大成が雙葉祭になるのですが、ポスターひとつを取っても大変センスがよいので、私自身いつも驚かされます。先輩・後輩の仲もよく、上級生がクラブ活動を引退する際には後輩たちが感謝の気持ちをつづったお手紙をプレゼントしているようです。上級生は、後輩全員分のお返事を書きますので、雙葉祭のシーズンは忙しそうにしています。

そのお手紙は、一生の宝物になりますね。

あまりに熱中しているものですから、宿題などはちゃんとしているの?と不安になることもありますが、かけがえのない関係を築けているのだと思います。雙葉祭が終わると、今度は運動会。春には球技大会もあり、この3つが年間を通しての大きなイベントです。運動は苦手な生徒も多いですが、知育・徳育・体育のバランスがとれた教育が重要と考えていますので、協力し合って全員で取り組むよう指導しています。当日は勝って泣いて、負けて泣いて…と熱く打ち込んでいますよ。

自主性を何よりも尊重、進学率の先にある個々の「生き方」

勉強面はいかがでしょうか。進学率も大変見事なのですが。

最も重要視しているのは、進学先自体ではなく、「本人が将来何をしたいか」です。大学受験について相談されればもちろん応えますが、具体的な大学名を挙げて指導することはありません。仮に東大合格が確実と思われるような成績の生徒でも、本人が希望しない限りはその名を勧めることはしないのです。中学・高校は、大学進学までの「通過点」ではありません。ここで悩み、成長し、自分の使命や生き方を模索する大切な場であると考えています。そのためのサポートは惜しみません。将来の進路を考えてもらうために、外国為替のディーラーやNHK社員、都庁職員などさまざまな分野で活躍する卒業生を呼び講演をしてもらうなどしています。

机の上の勉強そのものよりも、一人ひとりに合わせた、真の知性の成長を促すのですね。

当校の掲げる全人教育です。決して勉強をないがしろにするということではありませんが、成績や偏差値で席次を決めたり、文系・理系でクラスを分けたりはしていません。勉強とは人と競争するものではなく、自己を磨くものと考え、自ら学ぶ姿勢を育てたいと考えているからです。

語学教育に大変力を入れていらっしゃることでも有名です。

英語はネイティブの教員による少人数制指導を行っています。中3ではフランス語が必修です。基礎的な範囲に留まるということもあり、みな楽しんでやっている様子です。高校1年で第一外国語を英語・フランス語から選択しますが、例年15名程度がフランス語を選択します。今や英語が話せるのは当たり前で、第二外国語、第三外国語を学ぶ時代ですから、フランス語という選択もよいと思います。

雙葉では、雙葉小学校の出身生と、中学受験をして入学した生徒が合流する形になりますが、英語力の差が開いてしまう心配はありませんか。

心配されることはなにもありません。当校では英語教育を受けたことがない生徒に向けて一年間しっかりとフォローしていきます。中学1年の秋までは週1回の補習があり、中学2年からは全員で一緒に授業を受けます。その頃にはどこの小学校出身ということに、全く隔たりはなくなります。

中学・高校は大学進学までの通過点ではない、勉強とは人と競争するものではなく自己を磨くもの、と和田校長

中学・高校は大学進学までの通過点ではない、勉強とは人と競争するものではなく自己を磨くもの、と和田校長

家族ぐるみで続くつながり、一生の友人に出会える場

雙葉では卒業後も末長くお付き合いが続くと聞いています。

1学年が180人ほどと少なめですので、クラスに関わらず学年全体がお友だちという環境です。そんな中で6年過ごしますので、家族のような関係性が築けているようです。卒業後もよく集まって交流を深めている様子です。

保護者様の活動も活発ですね。

PTAはありませんが、保護者同士の交流は深いようです。保護者会は中学1年が年3回、中学2年と中学3年は年2回、高校生は年1回開催しています。どの学年も保護者の個人面談をしていますので、お子さんがどのように学校生活を送られているか知ることができ、安心していただけると思います。

多くのご家庭から信頼と親愛を集め、何代にもわたって雙葉の出身であるというケースも少なくありません。ご家族が雙葉の卒業生であると入学しやすいといったことは?

一切ありません。願書にもそのようなことを記入する欄はありませんし、自由記述ができる備考欄にも、「どうしても事前に学校に伝えたいことのみ書いてください」とお伝えしています。

雙葉の入試は、記述式の問題が多いという特徴があります。

当校では「考えること」を大切にしているので、国語の入試であれば詩を出したり論説文を出したり、難しいだろうと思います。算数も、「どのように考えたのか」を見るために、答えが合っているかどうかだけではなく、途中式がしっかり書けているか見ています。このような入試が影響しているのかはわかりませんが、本校には書くのが得意もしくは好きという生徒が多く集まっているようです。

雙葉を志望するお子さん、親御さんに向けて、メッセージをお願いします。

受験生のご家庭は、みなさん大変忙しくお過ごしのことと思います。特に働いていらっしゃるお母様にとっては、親子のスキンシップの時間を十分にとるのは難しいのではないでしょうか。しかし、思春期のお子さんにとって親子のコミュニケーションは非常に重要なものです。可能な限りお子さんと過ごす時間を持ち、親子の関わりを大切にしていただきたいと思います。また、親子でさまざまな体験をし、社会に目を向け、激動する世界の状況や多様な価値観に触れることが大切です。そして日本のみならず世界の平和を担う子どもたちを育てていただきたいと思います。

取材を終えて―

TOMAS入試対策本部 本部長 松井 誠

p8自ら考え、生き方を選びとるという雙葉学園の教育方針。勉強だけでなく、クラブ活動などにエネルギッシュに打ち込む生徒たちの姿は、まさに現代社会をたおやかに生き抜く女性像そのものだと感じました。


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