【特集】メディックTOMAS主催 医学部受験生進学セミナー2016開催レポート

【特集】メディックTOMAS主催 医学部受験生進学セミナー2016開催レポート

「将来の医師像を持たずして医学部合格はなし!」
東京医科歯科大の現役医師と医大生を招き、セミナーを開催しました。

去る5月3日(火・祝)、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷にて、医学部志望の中高生および既卒生を対象とした「医学部受験生進学セミナー2016」が、東京医科歯科大学の先生と現役医学部生のご協力のもと開催されました。今回は中学1年生から高校既卒生まで、メディックTOMAS会員ほか146組、210名が来場。現役医師・医学部生の講演や対話を通じて医師という仕事のやりがいや使命を直に知ることができるセミナーとあって、会場はたいへんな熱気に包まれました。

今回のセミナーは以下の3部構成で行われました。
●第1部
特別講演「医師の仕事、やりがいについて」
東京医科歯科大学 肝胆膵外科学分野 講師 肝胆膵外科高度技能専門医
工藤篤先生

「東京医科歯科大学 カリキュラムについて」
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 臨床解剖学分野 教授
秋田恵一先生

●第2部
講演「医学部で学ぶ心構え・医学部で学ぶこと」
東京医科歯科大学 医学部医学科6年
北川翔大さん

●第3部
東京医科歯科大学生×セミナー参加生 グループディスカッション

第1部 特別講演「医師の仕事、やりがいについて」
道なき道を行き、これからの医学の世界で生き残れ。

特特別講演で登壇された工藤篤先生は、東京医科歯科大学卒業後、当時日本を代表する心臓外科医の1人であった鈴木章夫教授のもとで初期研修を受けました。その後肝胆膵外科学大学院の一期生として、有井滋樹教授のもとで専門研修を受け、2012年には最難関の高度技能専門医に合格。以後、次世代の高度技能医育成を担うとともに、専門外来では全国から集まる多数の患者さんの治療にあたっています。


オペラ歌手になりたかった高校時代。

小学生時代は野球少年だった工藤先生。福島県にある野口英世記念館で「志を得ざれば再び此地を踏まず」の言葉を見たことが、医師という仕事を意識するきっかけになったそうです。しかし高校時代は課外活動にのめり込み、イタリアに留学してオペラ歌手になりたいと思いました。毎日歌の練習に没頭し、生徒会副会長、体育祭実行委員長など勉強以外のことにすべてのエネルギーを費やしましたが、オペラ歌手として成功するほどの才能も感じられず、成績も悪く、人生のどん底を味わいました。そこから猛勉強をし、東京医科歯科大学に合格したということです。


日本の外科を引っ張ってきた偉人のもとで修業。

漫画『ブラックジャック』にも登場する、鈴木章夫先生が教授の最終年度だった年(その後名誉教授、学長)、初期研修先として鈴木先生の教室を選択した工藤先生。鈴木先生からは、絶対に諦めないネバーギブアップの姿勢を学びました。当時、鈴木心臓外科はたいへんな忙しさと厳しさから「生き地獄」と呼ばれていたそうですが、工藤先生は自分の医師としてのスタートを敢えてこの厳しい心臓外科で始めることに決めました。当時は、漢文に出てくる「男子志を立て郷関を出ず学成らずんば死すとも帰らず」の様な心境で、毎日朝から深夜まで患者のベッドサイドで過ごし、命を守る厳しさを身に刻んだといいます。

「人間が生き物の生死を自由にしようなんて、おこがましいと思わないか」。工藤先生は『ブラックジャック』の師匠、本間丈太郎先生の言葉に触れ、「こんな外科医を目標にしてきた」と語ります。そんな本間先生のモデルと言われている名医・本庄一夫先生に憧れて外科医になったのが、工藤先生の師匠である有井滋樹教授でした。その有井先生の口癖が「道なき道を行く」。本庄先生も鈴木先生も、誰も歩いていない道を拓いたフロンティアであり、その気概が非常に重要だと工藤先生は言います。


一番心がけているのは、患者さんの心を救うこと。

現在工藤先生は、肝機能と発がんの研究、希少がんの研究で成果を上げ、その分野で第一人者となっています。外来には全国から患者さんが集まっています。工藤先生は、「どういう気持ちで自分が患者さんに接していくか、患者さんがどう安心して帰ることができるか。いつもそこだけを考えています。医療で最も大事なのは、患者さんの気持ちや生き方を考えることだと思います」と続けました。


高度な技術を持つこと、深い専門的な知識を持つことの重要性
 最近まで医学部の定員を増やしてきた結果、医者が過剰になると言われるようになりました。そこで2020年からは医学部の定員を50人にしようという話があるそうです。そういう時代に、医学部を目指す皆さんが、何を目標にどういう医者になって、新しい医療あるいは医学をつくって行くか。来るべき医師過剰時代では、高度な技術を持つこと、深い専門的な知識を持つこと、そうしたスペシャリティ、つまり誰かが敷いたレールではなく道なき道を見つけ踏み込んでいく気概が必要な時代が到来するということです。

工藤先生は、「医師は最初に育つ環境によって決まると痛感している」と言います。先輩方やスタッフ、仲間、後輩への感謝の気持ちが大切で、そうした人々に支えられ、引き立ててもらい、今があるのだと。そして最後に成功へのカギとして、
「道なき道を探すこと」
「患者さんの心に寄り添うこと(心と心が通じ合って、その先に研究があり、手術がある)」
「自分の世界観を広げる努力」
の3点を挙げ、講演を締めくくりました。

「東京医科歯科大学 カリキュラムについて」

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第1部の後半は、大学院医歯学総合研究科臨床解剖学分野教授、医学部医学科教育委員長の秋田恵一先生が、東京医科歯科大学でのカリキュラムについて講演しました。

「どこにいなければ、またどこの大学に入らなければ研究者にはなれない、ということはない。論文が発表されれば世界の人が読むことができるし、勝負は卒業してからの自分の頑張りにある」と言います。 医学科を目指す理由は人により様々だし、臨床医、基礎の研究者、行政、企業など進路も様々です。6年間勉強しているうちに、自分が進むべき道や適正などが見えてきます。秋田先生は、いま特定の目標を持つことやテレビに出ている名医のようになりたいなどというように自分の道筋を早いうちに決めてしまうのではなく、いろいろな情報を集め、多くの人と話をして見分を広めることが大切だと話します。


ハーバード大学との医学教育の提携。
東京医科歯科大学のカリキュラムづくりの根底には、鈴木章夫元学長が抱いた「医科歯科大学の学生がハーバード大学に留学し実習をした際に、向こうの学生と同じようにやれるようにしたい」「教育分野で日本で一番を目指す」という考えがあります。

●東京医科歯科大学で学ぶ学生は、ハーバード大学の学生と遜色ないような教育を受けることができる。
●東京医科歯科大学で研修をする医者は、ハーバードなどトップ大学でレジデントをする医者同等の教育を受けられる。
●さらにその上を目指す。

そのために、2002年からハーバード大学と医学教育において提携をしています。教員の派遣を行って医学教育システムを学び、そのシステムを本学に合った形で採り入れるなど、様々な取り組みを行っています。


半年間、自由に研究をする「プロジェクトセメスター」。
東京医科歯科大学の目玉とも言えるのは、自己解決型の学生を育てるための、6カ月間の基礎研究期間です。半年間、講義は行わず研究に没頭する時間となります。実際に研究を行っている先生方がどのようにしているのか、どのように考えて研究しているのかを直接見ることで、たとえば漠然と外科の分野に行きたいと思っていた学生が内科や基礎医学に興味を持つなど、自分の進むべき分野を考える重要なチャンスとなるそうです。学生のうちから早く研究を体験することにより、研修を終えてすぐ研究の生活に入り、世界トップレベルの研究に参入していけるような人材の育成を目的としており、「そうした学生が教授になり、またそれを目標とする学生を再生産する、このサイクルを動かしていくことがとても重要だと思うのです」と秋田先生は語りました。
その他、

●歯学部との連携による、口腔疾患と全身疾患の結びつきについて徹底した医歯学融合教育。
●海外での臨床実習や研究発表ができるような英語教育の充実。
●「屋根瓦式」と呼んでいる参加型の臨床実習システムの実施。まず学生が患者さんを診て、それを研修医、先輩医師がサポートし、最終的に診療科長が責任をとる、欧米では一般的な医科歯科大学式参加型臨床実習システム。

などについての解説がありました。

第2部 現役医大生による講演「医学部で学ぶ心構え・医学部で学ぶこと」

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第2部は東京医科歯科大学医学部医学科6年の北川翔大さんが登壇。現役の医学生だから話せる、医学部を目指してこれまで歩んできた話や医学部での話などを語り、年齢の近い受験生の皆さんの強い関心を集めました。


志望動機について考えてほしいポイント。
まず北川さんは、志望動機について話しました。ポイントは「きっかけ(興味)→過程(思いや興味の発展)→結果(志望理由)」という流れの重要性です。医者という仕事に興味を持ち、どういう医者像に憧れ、自分の将来像はどうなのか。そこをミュージシャンになぞらえ、「中学で初めてギターを手にし→自分で曲を作るようになり→周囲の人にも関心を持ってもらい→この道だと考える」と分かりやすく解説しました。


面接官はこういうことを聞きたい。
「面接はさほど合否には影響しない、という話も聞きますが、しっかり得点化している大学もあります。そのとき、まず自分が面接をする側の気持ちになって考えてほしいのです」と北川さん。面接官は、主に2つのことを知りたいと思っていると分析しています。

●あなたはどんな人ですか?
●なぜここに来たの?→なぜ医学部に入りたいのか。どのくらい医学部に入りたいと思っているのか。

「面接は試験だけど、人と人との対話です。素晴らしい動機のストーリーを用意するのも大事ですが、『相手が何を知りたいか』に対してどう答えるのかを考えて答えることが大切です」と話しました。


医者は、一生勉強し続ける仕事である。
「医学部の6年間は、あっという間です。ボーッとして一瞬で過ぎてしまわないようにしなければいけません」と北川さんは受験生を鼓舞します。そして6年間で学ぶことを端的に解説しました。

●1年生:教養部は千葉県の市川にあります。ここでは中高生の延長のような勉強をします。後期になると医学教養の授業があり、週に一度東京・湯島のキャンパスに通うことになります。
●2年生:基礎医学。ドーンと医学知識を詰め込まれます。座学や実習に加え多くの試験があり、「2年生が一番キツイ、とよく聞きます」。
●3年生:臨床医学(基礎)。実際の臨床現場で見られる病気について学び、2~3年生で医学知識を一通り学ぶことになります。
●4年生:研究・臨床(応用)。目玉は前期6カ月間のプロジェクトセメスターです。研究室の一員として研究だけをします。海外の研究室へ行くことも可能です。
●5年生:病棟実習。1年間かけて色々な科を回ります。実際に患者さんを見て、情報を集めて治療方針を考え、レポートを皆の前で発表したりします。
●6年生:臨床実習の後、卒業試験、国家試験を経て卒業となります。

卒後は初期研修2年→後期研修3年→専門医になり→やっと指導医になって。。。といった流れになります。

そして北川さんは、「医者はハードな仕事であると同時に、生涯勉強の連続です。勉強して勉強して、終わったと思ったらまた勉強して。それでも『面白いよ』『この道に進んでよかった』とよく聞きます。それは医学に対して、心の底で惹かれているものがあると思うのです。今日の私の話が、皆さんが医学部を目指す小さなきっかけになったら嬉しいなと思います」と締めくくりました。

第3部 東京医科歯科大学生×セミナー参加生 グループディスカッション

第3部は、14名の現役の医学部生(T.A.)が参加。受験生の皆さんは複数のテーブルに分かれ、それぞれのテーブルに医学生が入り、グループディスカッションが行われました。

前半は質問タイム。浪人中の勉強の仕方、勉強へのモチベーションの保ち方、学生生活の様子、小論文対策、志望動機や、また医学部進学について迷いのある受験生へのアドバイスなどなど、多くのディスカッションが行われました。

IMG_0347後半はグループに分かれ、設問を皆で考えるワークショップの形式で進行しました。各グループ内で医学生のT.A.が司会役、受験生が書記やリーダー役となり議論を展開。まとまった意見を各リーダーが前へ出て発表しました。参加した受験生の皆さんからは「医大生の話を聞くことができてたいへん有意義でした」「グループディスカッションは初めての経験で、よい学びの機会になりました」「他では聞けないような話が聞けて、とても参考になった」などなど、多くの感想をいただきました。

セミナーの最後は、メディックTOMASの木村部長が挨拶。「知識もたくさんなければいけないし、人としてのいろいろなことも必要で、精神的にも強く、また体力も求められます。医師というのは本当にスーパーマンのような仕事だと思います。将来医師になって人のために働きたい、人の命を救いたい。そういった気持ちを持ち、この先もう一年を切りましたが、今日の体験を活かして受験勉強に励んでいただきたい。次受験生の皆さんはまだ時間がたくさんありますので、基礎分野をしっかり勉強し、また本日のような機会も含めて、しっかり自分の医師志望理由を固めて、医学部合格を勝ち取っていただきたいと思います」と参加した皆さんにエールを送り、セミナーは終了しました。

ご協力くださった皆様、ご参加くださった皆様に、心より感謝申し上げます。
今後のイベントについてはメディックTOMASホームページでご案内いたします。

 

参加者の約8割が「満足」と回答!~アンケート結果報告~

セミナー終了後のアンケートでは、1部・2部・3部とも高い評価をいただきました。

<医学部受験生進学セミナー2016 満足度調査(5段階評価)>

●第1部 特別講演について
評価5(満足)⇒87% 4⇒10% 3⇒3%

●第2部 医学部生について
評価5(満足)⇒80% 4⇒17% 3⇒3%

●第3部 グループディスカッションについて
評価5(満足)⇒76% 4⇒13% 3⇒11%

参加者の感想(一部抜粋)
・医師先生のお話に心が動かされた。どのような医師になりたいかというその先も考えるきっかけになった。
・医師という仕事の大変さを改めて実感し、話を聞けてやはり医師になりたいと思った。
・お話が大変面白く、カリキュラムに関して気に掛けた事が無かったので、もう一度調べ直してみようと思った。
・講演を通じて自らの医学部志望理由が見えてきました。そして自分に足りない物も発見出来たので、今後もまたこのような機会があれば参加したい。
・医学部の学生生活を知ることが出来てとても良かった。
・グループディスカッションが初めての経験で良い学びの機会になった。
・他大学のこのような会も催して欲しい。


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